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内定をめぐる人事模様

人事として思うこと

先日ネットで見かけた気になる記事が、
「内定辞退をしたら企業担当者から脅迫まがいのことを受けた」というようなものです。

なんでも内定を受けた方の学生は他にも数社就職活動をしており、
先に内定をもらっていた企業よりもより条件のよい大企業からも内定を受けたため、
先の企業に辞退の連絡をしたところ、呼び出されて軟禁状態で説教をされたということでした。

記事を読んだ他の人の意見をみると「非常識だ」
「そんな会社に入ったらパワハラを受けるにきまっている」「辞退して正解」
といったような内定辞退者に対して同情的な意見をしている人が大半でしたが、
人事の仕事をしている身としては正直どうだろうという気持もしてしまいます。

ここ数年の企業の採用状況のあおりを一番受けているのは、
もしかしたら学生同様人事担当者なのかもしれないとさえ思ってしまいます。

人事も人の子

人事担当者はおそらく学生から見れば、
どうやって取りいればよいかを考えるための「敵」のような存在に見えるのかもしれません。

難しい質問をクリアして、
どうにかして自分の良さを売り込むことができるようにと腐心しているのが今どきの学生なわけなのですから、
自分の方の都合で「やっぱり辞めます」くらいのことは言っても平気という感覚でいるのでしょう。

確かに、採られる側よりも採る側の方が立場が強く、
また面接時に理不尽な質問をしたりパワハラやセクハラまがいのことをする不心得者がいることも事実です。

ですが一昔前ならばそのような内定辞退者を想定して
数名程度予備人員を採用しておくこともできましたが、
現在では本当にギリギリしか内定が出せないという事情になっています。

もし誰も内定を辞退しなかったとしたら、
新卒の余剰人員を抱えてしまうことになりますので、
人事としては相当に慎重に人材の絞り込みをして、苦心の上に内定を出します。

それが「もっといいところがあったから」
という身も蓋もない理由で入社直前に辞退されたとあっては
その後の研修育成の計画に大きな問題が出てしまいます。

だからといって呼び出しや脅迫をしてもよい理由にはなりませんが、
多少なりとも同情的な視点はついつい持ってしまいたくなります。

学生の中には面接時には虫も殺さないようないい子を演じていながら、
内定辞退では大変無礼な態度を見せる人がいるということもあります。

そもそもそのような人間性を見抜けなかったということが
人事としての能力と言われればそれまでなのですが、
やはりそういった現場を見るとかなり精神的にきついダメージを受けます。