自己アピールで思うこと
面接をするとき私は、
ほとんど必ずといってよいほど「自己アピールをしてください」
と自由に何分か話してもらうことにします。
最初はなんでもいいから話してくださいなんて
漠然とした質問では答えにくいんじゃないかなと心配していましたが、
意外にもこちらからの質問よりも、面接に来る人はいきいきと話をしてくれることが多いようです。
個人的な見解ですが、こちらからの質問への返答では、
こちらの望む答えとは何かを必死に探して返答をしようと思うのに対し、
自由にの場合はそれまで練習をしてきたことを自分のペースで話せるのが楽なのかもしれないと思ったりします。
面接をしただけでその人の人柄の全てを見抜くというのは本当に難しいことです。
この人は、と思った若手があっさりと辞めてしまったり、
どうしようかと最後まで悩んだ人が意外に入社してから伸びてくれたという例もあります。
毎年同じように入ってくる新卒の人でも、毎年同じ人材であることはなく、
似たようなタイプはあってもやはりその人やその年らしい素質というのはあるように感じます。
営業職や事務職を希望する人の場合、
比較的きちんと平均的な人が希望をしているようですが、
おもしろいのは技術職を希望する人で、たまにとても個性的な人が面接に来てくれたりします。
印象に残っているエンジニアさん
先日中途採用で募集をしたときに来たエンジニアさんのお話ですが、
その人は本当に個性的な人でした。
私はここまで他と違う素質があるのだから入れてみたいという気持ちがあったのですが、
まさかそんな大きな博打を会社側にさせるわけにはいかず、
結局お断りをしてしまうことになりましたが、その人ほどの人は私は見かけたことがありません。
具体的には、まず採用の面接として時間を指定したのですが、
訪れたのは30分も前で、まだ担当者が会議中でいないと受付の人に告げられると、
堂々とロビーで待ち続けたといいます。
会議をしていた私は運良く15分前に終わったのですが、
ロビーでふてぶてしく待っていた彼の姿はとても印象的でした。
面接になると、こちらの質問に対してやる気があることと
やる気のないことへの受け答えがあまりにははっきり態度に出ていたのも驚きでした。
それで経歴はと見ると非常に技術力はあるようで、
珍しい言語でのプログラムができると断言して書かれていました。
どの程度できるかと私は試しに入れてみたい気持ちにかられましたが、
他の面接官からの評判があまりにも悪く、とても私一人で推すことはできませんでした。
今彼がどうしているのか気になります。