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時計と原っぱ

面接は最初の15秒

面接官も読んでいるベストセラー

就職活動の大ベストセラーに
「面接の達人」(中谷彰宏 ダイヤモンド社)という本があります。

初版は1990年代の最初だったかと思いますが、
以降20年近くにわたって就職活動に悩む学生たちに多く読まれており、
最近もまた改定版が出版されました。

これから面接を受ける側にとってはかなり参考になる本であることは間違いなさそうですが、
私も学生はどこに注意して面接の準備をするものかという参考のため、何度か読んだことがあります。

今回は面接官の立場からこの内容についてちょっと考えたことを書いてみたいとおもいます。

自己紹介と志望動機の大事さ

「面接の達人」はとても良いことを言っている本であると思いますが、
中でも私がなるほどと思ったのが面接で成功するのは
「自己紹介」と「志望動機」の二点をうまく説明できるかという点であるといいます。

面接マニュアル本を見ると、
100項目以上のよくある質問と模範解答が解説されていますが、
ぶっちゃけ「自己紹介」と「志望動機」の説明がまずかった場合、
他の質問をどれほど卒なく答えたとしてもあまり印象はよく残らないのではないかと思います。

また「自己紹介」をするときにはこれから受ける会社の様子や業種によって
コロコロと変えるのもよくないと言っており、
「自己紹介」に関してはどの企業を受けるときであっても
通用するようなきちんとしたものを考えておくようにするということを言っています。

面接官の悩みの種

確かに面接を何件かしていると、非常にコミュニケーション能力の高そうな若い子が、
とても私達にとって聞いていて心地良い自己紹介をすることがあります。

ですがなんとなくその内容が模範的な回答すぎるがために、
それは本当の意味での自己紹介ではなく
「就活用の自己紹介だな」ということが感じられてしまうこともあります。

おそらく面接対策のためにたくさんの本を読み、
また練習を重ねてきた方なのだろうという努力はわかるのですが、
「自己紹介」まで企業側からの希望にそったものにしてしまうということは
本当によいことなのだろうかと少し考えてしまいます。

もっとも面接によって見るのはその就職希望者が、
会社にとって必要な人材であるかどうかということなので、
会社にとって都合のよい意見をいう人を優先的に入れるということはわかります。

そこが面接官としての悩みの種なのですが、
果たして適応能力が高すぎる人は会社にとってよいことであるかということは
簡単に判断できることではありません。

結果的によい人材はどこで見分けるべきかについてはまだまだ経験が必要なようです。